Excel VBAのCurDir関数で現在の作業ディレクトリを取得・変更する方法

 

Excel VBA カレントディレクトリは、現在の作業ディレクトリ(フォルダ)のことを指します。ExcelVBAでファイルの操作を行う際に、現在のディレクトリを取得したり変更したりするために使用されます。具体的な使い方や、注意点やサンプルコードを紹介します。

 

2025年の目標は繰り返し作業に悩まされない年にしませんか? Excel VBAを活用した効率化がその第一歩
本サイト参考:Excel VBAで自動化するコードのベースを習得したい方におすすめの記事

 

Excel VBA カレントディレクトリの利用

以下のようなシーンで利用されます。

・ファイルを開いたり保存したりする際に、現在の作業ディレクトリを確認する

・複数のファイルを一括処理するために、特定のディレクトリに移動する

・作業ディレクトリを一時的に変更し、操作が終わったら元に戻す

Excel VBA カレントディレクトリの使い方

カレントディレクトリの取得や変更には、ChDir(Change Directory)関数を使用します。また、CurDir関数を使用して現在のディレクトリを取得します。

使用するメリット

・ファイル操作のミスを防ぐ
意図しないフォルダで処理を行うリスクを軽減できます。

・動的なファイルパス管理が可能
カレントディレクトリを取得し、コードの汎用性を高められます。

構文と引数

構文と引数

Dim path As String
path = CurDir

・CurDir関数にはオプション引数としてドライブ指定が可能です。

Dim path As String

・path = CurDir("C") ' Cドライブのカレントディレクトリを取得

 

CurDir簡単なコード例

Sub GetCurrentDirectory()
    MsgBox "現在のカレントディレクトリ: " & CurDir
End Sub
Cドライブのカレントディレクトリを取得する
Option Explicit

Sub GetSpecificDrive()
    MsgBox "Cドライブのカレントディレクトリ: " & CurDir("C")
End Sub

ChDir関数との組み合わせによるディレクトリ操作

Option Explicit

Sub ChangeDirectory()
    ChDir "C:\Users\User\Desktop"
    MsgBox "変更後のカレントディレクトリ: " & CurDir
End Sub

CurDir関数使用時の注意点

存在しないディレクトリを指定した場合の挙動

CurDirは存在しないフォルダを指定するとエラーになります。エラーハンドリングを行うことで、プログラムの強度を向上させることができます。

Option Explicit

Sub CheckDirectory()
    On Error Resume Next
    MsgBox CurDir("Z") ' 存在しないZドライブを指定
    If Err.Number <> 0 Then
        MsgBox "エラー発生: " & Err.Description
    End If
    On Error GoTo 0
End Sub
マルチユーザー環境での注意事項

異なるユーザーが同じVBAコードを使用する場合、カレントディレクトリが異なる可能性があるため、適宜設定を確認する必要があります。

 

ポイント

・ディレクトリパスを変更する際には、存在するディレクトリかどうかを確認する必要があります。

・カレントディレクトリが変更されると、ファイル操作に影響を与えることがありますので注意が必要です。

 

Excel VBAで効率化の準備をしてみませんか?2025年をよりスムーズに過ごすための資格
基本的な文法やVBAの実践的な応用までを網羅的に学習できる方法は、ExcelVBAエキスパート資格の取得を目指すこと。学習を通して、より効率的に、着実に基礎を身につけることが可能です。資格取得すれば、スキルの証明にもなり、職場での評価アップにも繋がるため、勉強を進めるモチベーションにもなります。
本サイト参考:マクロ知識がないから「何から学べば良いのかわからない」という人におすすめの記事

 

Excel VBA カレントディレクトリの実践的なサンプルコード

カレントディレクトリを取得する

Option Explicit

Sub GetCurrentDirectory()
    ' カレントディレクトリを取得して表示
    Dim currentDir As String
    currentDir = CurDir
    MsgBox "現在のカレントディレクトリは: " & currentDir
End Sub

カレントディレクトリを変更する

Option Explicit

Sub ChangeCurrentDirectory()
    ' 新しいディレクトリに変更
    Dim newDir As String
    newDir = "C:\ExampleDirectory"
    
    ' ディレクトリが存在するか確認
    If Dir(newDir, vbDirectory) <> "" Then
        ChDir newDir
        MsgBox "カレントディレクトリが " & newDir & " に変更されました"
    Else
        MsgBox "ディレクトリが存在しません"
    End If
End Sub

カレントディレクトリを変更し元に戻す

Option Explicit

Sub ChangeAndRevertCurrentDirectory()
    ' 現在のディレクトリを取得
    Dim originalDir As String
    originalDir = CurDir
    
    ' 新しいディレクトリに変更
    Dim newDir As String
    newDir = "C:\ExampleDirectory"
    
    If Dir(newDir, vbDirectory) <> "" Then
        ChDir newDir
        MsgBox "カレントディレクトリが " & newDir & " に変更されました"
        
        ' 作業終了後に元のディレクトリに戻す
        ChDir originalDir
        MsgBox "カレントディレクトリが元に戻されました: " & originalDir
    Else
        MsgBox "ディレクトリが存在しません"
    End If
End Sub

CurDir関数を活用した効率的なファイル操作

複数ファイルの一括処理

Option Explicit

Sub ProcessFiles()
    Dim fso As Object, folderPath As String, file As Object
    Set fso = CreateObject("Scripting.FileSystemObject")
    folderPath = CurDir
    For Each file In fso.GetFolder(folderPath).Files
        Debug.Print file.Name
    Next file
End Sub

自動バックアップの実装

Option Explicit

Sub BackupFile()
    Dim fso As Object
    Set fso = CreateObject("Scripting.FileSystemObject")
    fso.CopyFile CurDir & "\外部ファイル-1.xlsx", CurDir & "\backup\外部ファイル-1.xlsx"
    MsgBox "バックアップ完了"
End Sub

パスが見つからないエラーへの対応

Option Explicit

Sub CheckFolderExists()
    Dim fso As Object
    Set fso = CreateObject("Scripting.FileSystemObject")
    If fso.FolderExists("C:\Users\User\Desktop\新しいフォルダー") Then
        MsgBox "フォルダが存在します"
    Else
        MsgBox "フォルダが見つかりません"
    End If
End Sub
アクセス許可に関する問題の解決

セキュリティ設定によっては、特定のディレクトリにアクセスできない場合があります。このような場合、管理者権限で実行するか、アクセス権を確認してください。

カレントディレクトリは、ファイル操作を行う際に重要な概念です。ExcelVBAでの作業を効率化するために、現在のディレクトリを取得したり変更したりする方法を理解しておくことは非常に役立ちます。初心者でも簡単に扱えるように、基本的な使い方をマスターしておきましょう。

CurDir関数の利用は、業務効率化に大きく貢献します。さらに、スキルを向上させたい方は、「Excel VBAエキスパート問題集」で知識を体系的に習得してください。

 

Excel VBAで自動化するコードのベースを習得したい方におすすめ!

VBAエキスパート資格は、日常業務でExcelを多用し、手動作業を減らしたいと考えている方には価値あるものです。

ExcelVBAエキスパートベーシック
仕事の効率をあげるためにExcelVBAを利用する人が対象の問題集です。


ExcelVBAエキスパートスタンダード

ExcelVBAの開発を仕事にする人が対象の問題集です。

 

Excel  VBA エキスパート資格について知りたい方は、下記「Excel VBAスキルアップを目指すなら知っておきたいVBAエキスパート」をご確認ください。